ディレクターズスーツ、タキシード、フォーマルスーツ(礼服)、サマーフォーマル、
モーニングコート、燕尾服・・・。
これらがいわゆる「定番紳士フォーマル」と当社で位置づけているもの。
巻物で入ってきた原反生地1本から20着を目安に生産するものを
定番生産と呼びます。
先日、ブログでもご紹介し、1日5着MAXに設定した
「
パターンオーダー・別注の生産納期管理」と対を成すものです。
1日5着の別注(EG)に対し、定番フォーマルは1日15着にひとまず設定をしました。
日産数20着×20営業日として、400着が当面の月産目標です。
1日ごとに5着のマス目を作って、予約をいれていくようなEGの管理に対し、
定番生産は品番ごとをひと月ぐくりに追っていく形式をとろうと考えています。
これまでの定番生産の実績を見返すと、
着数にもよりますが、繁忙月で4品番ぐらい流れているので、
ひと月に4品番の工程を管理できるようにしました。
その雛型がこれです。
小さくて見えづらいと思いますが、
まず左の空欄に品番を入れ、こちらで着数からおおよその進行予定をいれていきます。
そして、上から順に、裁断、縫製、マトメ、プレスと大きな分類で工程をまとめました。
縫製の中には、前身、身返し、袖付け、など実に多くの作業が含まれますが、
細かく分類しすぎて捉えきれなかったと聞き、
縫製という大分類にまとめました。
これはシミュレーションですが、
薄い黄色で縫ったマスが予定。濃く塗った色が予定より超過した分という感じ。
全ての工程が分離するのではなく、かぶった階段状に並ぶのは、
体型ごとに作業をしていくので、最後の体型を裁断する時には、
最初に裁断したものは縫いにかかれる。というような事だから。
それと同じように、縫製が終わる頃には、最初の分がマトメ(ボタンの穴かがりなど)に入り、
早いものはプレスにまわっていきます。
そうして、いつ、どの品番が上がる予定なのか、今、どの段階にあるのかがあわかれば、
たとえばお得意先から、
「この品番のAB6とBE4が早くほしい」という声があれば、
現状をつかみ、順序を入れ替える、ということもできるようになると思うのです。
ネットショップでも、お客様がいついつまでに手元にほしいというお声にも、
今、縫製中の中にその品番があれば、急ぎの別注にする必要があるのか、
定番で流れているもので間に合うのか、などカスタマーサポート係も
対応しやすくなるのでは?と期待しています。
これも雛型の雛型、作って、やってみて、だめなら変える、です。
でも、0でははじまらないけど、1やってみれば、次に繋がりますもんね。
一方、冒頭にお話した別注オーダーの管理表は
早くも功を奏しています!
数日でご覧のように予定が埋まってきました。
これは思っていた以上に効果覿面。
たとえば、僕がショップから受けた発注書を作成し、日程を埋めます。
GMのところに、別のお得意様からも発注書がきます。
すると
「さこっち、今こっちに17日が3着、19日が3着、23日に1着納期のがきたけどどうや?」
と投げかけられると、
「17日、23日は大丈夫ですね。19日は1着オーバーしますけど、1着は22日にまわせるので、
19日に1着空きができますから、そこに挟めますよ」
と、すぐに予定を組み替えられます。
発注書起こし、資材調達に時間がかかっても、
その間に納期の空きを抑えておけば、後からきたものに納期を取られずに済みます。
シンプルなんだけど、実にわかりやすい!
作ってみて本当によかった!
さらにこれも改良して、さらなる頂を目指して~!
(って、僕はハサミもミシンも使えませんが!)