ある日のお昼休みのこと、
コンビニに行くと、缶コーヒーWONDAの上になにやらおまけが。

よーく見ると、そこにはミニミニチョロQが！
しかも歴代のGT-Rという代物。

僕の上司であるGM（ゼネラルマネージャー）は、チョロQのコレクターであり、
GT-Rをこよなく愛する男。

このやばすぎるコンボはすぐに教えてあげなくちゃ。

冷たいカフェオレが飲みたかったことをそっちのけで、とりあえず1個買って帰る。


休憩終わりに、こっそり
「これ、よかったらどうぞ」
と手渡すと、
「うわーー。ええやんええやん！もらってええんか！？」と
目をキランキランさせて少年のように喜ぶGM。

缶コーヒーのおまけでそんなに喜んでもらえるとは・・・。

全10種類のうち、
「やっぱりGT-Rは白やで」というこだわりのもと、
僕がプレゼントしたのはR35とハコスカで、
あとはご自分でコレクトされていました。

1種類だけ白がないので、仕方がなく青を選ばざるを得なかったのですが、
その成果がご覧のとおり。


ちゃんと年代順に並べてるところがポイント。さすが。


それを並べてるところをみていると、
「さこっちのブログで、コレ写真撮って、
会社には、こんな変なオッサンがおりまんねやーって紹介してくれや(笑)」

と、記事にすることを思いがけず自ら立候補していただいたので早速。


いつか紹介しようと思って言いあぐねていたところだったので、
これは棚からぼたもち。


変なオッサンなんてとんでもない。
いつまでもピュアに好きな物に夢中になれる
その真っ直ぐさは素晴らしいことです。

自分がGMぐらいの年齢になったときにも、
仕事に趣味にそうやって熱心に生きられる目標にもなりますから。


そんなGT-R好きのGMの愛車はもちろんGT-R！

8代目スカイライン　R32型（1989年～1994年）
通称：R32（アールサンニィ）、超感覚スカイラインです。


見てください、この真っ白で美しいボディ。とても16年近く乗り続けている車とは思えません。
たゆまぬ愛情を注がれ、常に磨かれてきたシルシですね。

美人というか、気品すら感じ、愛されてきたという幸せそうな表情をしています。


後日、愛車と同じ白いR32のWONDAのおまけのだけは
愛車積載用にもう1個ゲットするという熱のいれようもまた憎めない。


時々、車で出社された時は、僕も家の近くまで乗せていってもらえるのですが、
スポーツカーってこうなのかっていう挙動、躍動感はたまりません。

初めて乗せていただいたときの接地感には興奮しました。

マニュアル車独特の加速感はもちろん、ギアの出し入れの際のエギゾーストノート、
回転数が上がっていくときのエンジン音なんてドキドキします。

そのマシンを軽快に駆るGMは
三代目である現・社長の祖父にあたる初代の頃より長きに渡り、在籍しています。

社長の小学生の頃すら知る、
本当にウチの屋台骨とも言うべき存在です。

宿題を放棄し、昔の社屋の2階の窓から屋根づたいに逃亡したことも、
社内レクリエーションの芋掘り大会に行く道中、
社長を含む三兄弟の子守り担当だったGMの言うことを聞かず、
電車の中で大ゲンカをはじめたことも、
今の社長しか知らない僕にとっては本当に面白い話です。

（弱みを握ったとも言う・・・）


社長をして、
「バブル崩壊後の苦しいときを乗り越え、耐え忍び今があるのもGMの存在は大きい」と、
絶大な信頼を寄せ、

工房も物流も一手にまとめ上げている裏には、
長年、経験されたこと、苦労されたこと、
その様々に培われてきた人の厚みというものなのでしょうね。


ま、それほど長年在籍しているベテランが、
こんなGT-Rに乗ってるってことがもはやカッコイイです。



そして昨日の日曜の午後、僕はネットで見つけたテーブルと椅子を生で観たくて、
インテリアショップをぶらぶらしていたところ、
GMから携帯にメールが入りました。


もしかして何かトラブルがあったのだろうかと、慌てて開いたメールには、
まるで季節のたよりのようなゆったりとした文面があり、
「盆栽の紅梅が見事に咲いたから、ニヤニヤ眺めてる」という内容で、
この写真が添付されていました。


ほんとに見事に咲いています。
愛車や盆栽にも人柄が表れていると思いますが、
僕のような未熟者にも本当に温かいまなざしで見守り、愛情を注いでくれる方です。

休みの日に、仕事のメールではなく、
こういう趣味のメールを送ってくださることも粋だなぁと思ったり。


「仕事は緊張と緩和」

毎日、家より長くすごす職場だからこそ、ギスギスさせたくはない。
仕事が嫌になるような楽しくない職場にはしたくない。

そして仕事は根回し、気配り、思いやり。

繰り返す言葉には何の偽りもないと思います。
それも、長年、時には砂を噛むような悔しい思いをさせられたこともあったでしょう。
そういう荒波に揉まれてきた男だからこそ、ピュアに僕らの心にも響くのだと思います。


そして、今日、梅の写メールの話をすると

「キレイに咲いたから、誰か見てくれる人おらんかなーって思って、
そや、さこっちにメールしたろと思ってなー」

と、はにかむところがまた愛らしいではないですか。


で、その時に僕が家具を見ていたという話をすると、
そこからまた昔の古ダンスの話で盛り上がりました。

タンスのくだりでは、
廻船問屋が、嵐で船が沈んでも大事なものを後から回収できるように、
パズルのように解いていかないと奥の引き出しがあかない
仕掛けをほどこした「カラクリダンス」の話に乗っかってくれるひとなんて
そうそういませんからね・・・。


GT-Rを駆り、休日には車いじりに盆栽に、
そしてお父さんと寺社をめぐっての写真撮影など、ほんとうに多趣味で博識です。

昔のF-1のドライバーなどカーレースの話から、
僕が本でしか知らないような往年の野球選手を
リアルタイムで見ていた話などは興奮します。


さらには話題のロールケーキなど、最新スイーツにも敏感ですし、
時には
「あの寺の千手観音像はヤバかったっすよ！」
「あそこの菩薩像はよかったぞ」
という仏像トークでも盛り上がったり。


ほんと、こんな未熟で青二才の僕をよくしてもらって感謝です。

先日は社長にも
「タイトルとキーワードだけちゃんと気をつけてくれたら、後は好きにしていいよ」
とこのブログにもお墨付きをいただいたりして、
この難しい時代、僕は上司にも周囲のひとたちにも恵まれていると思います。


その任され信頼されていることを自由きままと履き違えないよう、
のぼせあがって、おごりにならないよう、戒めつつ、仕事に邁進したいと思います。