この1週間はとても【難しい】1週間でした。

なんというか難しい。

答えがひとつあるわけではなく、それをどうすればいいのかも・・・。

辛い、嫌、苦しい、というものでもないから、難しい(笑)



今はどうしても、言葉に詰まるから卑怯なだけでしょ。
それで大人になれるなら利口なだけだよ。


そんなフレーズを思い出したり。

難しい。


そういう問題も察してのコトか、週末の夜、結構いい時間になっていたにも関わらず、
社長も工房に足を運んでくださり、
GM、工場長、僕も含めてミーティングというか報告会と意見交換会のような。


色んな意見が出て、色んなアイディアが出て、
とにかく先週からの課題である「目線を合わせること」の再確認をもう一度、
色んな角度から見直してみる。


社長を含め、皆のこれまでにない言葉に心が震えるというか、
スパッと雲泥を切り裂かれるような気持ちにも似た感覚。


その後、新しい取引先に出す生地のスワッチブックを
社長やマネージャーと一緒に作ったり
なんか新鮮な体験もしました。


終わる頃には、時計の針もぐぐっと進んでいたと思うのですが、
疲れよりも、どことなく清々しさがありました。


やる。
やるしかない。
やらなきゃいけない。
やろう。


自分にも言い聞かせる。

そして、
まだどことな淀む自分の頭の切り替えのためにも店頭に出ました。

店頭というのは、直営店の当店ノービアノービオではなく、
当社の工房で縫製されたスーツが実際に小売されている店頭です。


久方ぶりに訪れたその売り場に、とあるフォーマルスーツが販売されていました。


この春先に、初めて生産した新しい自社製品のフォーマルスーツです。


これまでもこの売り場で自社製品を見ることはありましたが、
このスーツは思い入れが違います。


型紙の選定、製作、生地の選定、仕入れ、ボタンなどの付属の決定も、
規格仕様書も・・・僕が工房に来て初めてイチから生産に携わったスーツですから。


売り場で、内ポケットの品質表示タグをみて、
自分が作った品番、自分が発注した証紙が確かにそこにあるのです。

近づいたり、離れたりしながら、ハンガーにかけられているそのスーツを眺めてみました。

この襟は、前身は、身返しは、ポケットは・・・誰が作ったのだと、
はっきりわかるものが、こうして目の前にあること、
それはこれまでにない感覚でした。


コストや見栄えなどに鬩ぎあいながら選んだボタン、
1度は決めた生地が使えなくなって再考したこと、
あらゆるシーンが明確に思い出せる商品と売り場で向き合うことはこれまでなかったですから。


僕みたいな者が1着のフォーマルスーツを食い入るように見ているのは
傍から見れば、滑稽だったかもしれませんね(笑)


でも、そこで感じた思いが、少なくとも自分の仕事への思いなのだとエラそうに感じたりして。


だから、
悩み続けるのではなく、
悩み、続ける。

問題に立ち向かい、悩みながらも、続けていく。
それしかないと思うのです。

まだ自分じゃ何もできないし、これからもそうなのだろうけれど、
いい方向に向うそのベクトルのはじっこに自分が一緒に乗っかって行けるイメージを抱きながら、
ヘッポコながらも頑張らなくてはいけないと・・・。