2009年01月15日
くるみボタンのつくり方。
くるみボタンは、
包みボタンと書いて「くるみ」です。
「つつみ」と読むより、なんとなくカワユスでしょ。
ベテランの職人さんの中には「つつみボタン」と言う方もいますが、
僕は断固として「くるみボタン」で通します。
それはなぜかって?
敢えて言おう!その言葉の響きに萌えがあるからだ!
くるみボタンを「くるみたん」と略すと萌え度200%UP!
なので今後、社内にも「くるみたん」と呼ぶよう指導して参りたいと思います!
あ・・・取り乱してすいません…。
この仕事を始めた当初、僕はくるみボタンを
胡桃でできたボタンで「胡桃ボタン」だと思ってました。
たま~に婦人服なんかで木の実でできたようなボタンがありますもんね。
ま、そんな勘違いはさておき。
今日、作っていたのは子供のタキシード、フロックコートに合わせるベスト用のくるみボタンです。
大量に必要な時は、まとめて外の工房にお願いしますが、
人手が足りない時や、急ぎでサンプルを作らなくちゃいけない時などには、
僕が工房に上がって作る事があります。
今日は子供の4つボタンベスト3着×3柄の計36個作りました。
では、今日はそのくるみボタンの作り方をちらっとご紹介しましょう。
●まず、用意するのはご覧の道具。

【A:ボタン用の生地】
薄い生地の場合、くるんだ時に端が破れたりするので、接着芯を貼って補強してもらいます。
黒く見えてるのは芯、そこから少しはみ出して見える紫の生地がボタンになります。
【B:木槌】
ボタンの台座と糸を結ぶ台座と生地を叩いてくっつけます。
【C:糸用の台座】
衣服に縫い付ける方の台座です。
【D:ボタンの表台座】
この台座の表面に生地を張ってボタンの表にします。
【E:表台座受けの筒】
ボタン用に切り取ったAの生地とDの台座をセットする筒です。
【F:ボタン台座受けの筒】
Cの台座をセットする筒です。
【G:押しこみ棒】
EにセットしたA:生地とD:台座を筒に押し込む棒です。
それでは、工程をご説明。
まず、Aの生地をボタンの型紙にあわせて大まかに切り取り、
裏向きにEの筒に乗せます。
その上から、Dの台座を裏向きセットし、
Gの棒でぎゅっぎゅっと押し込みます。


そう、誰もが青春時代に一度は経験したことのある、火縄銃の火薬装填と同じ要領ですネ!
・・・したことないか。
次に、縫いつける側の台座の準備。
Fの筒に、Cの台座を縫いつけ側を下向きにセットします。

それぞれに準備ができたら、筒同士を合わせて、後は木槌で叩くッ!

カンタンそうに見えますが、強く叩くと台座ごと潰してボタンがひしゃげてしまいますし、
弱いと、生地を上手く中に包み込むことができず、はみ出したりします。
コツは筒同士を合わせたとき、ネジをまくようにして生地を台座の中に巻き込んで
浮かさないように、コンコン!っとすばやく叩くこと。
こうして、くるみボタンが完成です!

で、
無事に作り終わって渡したところ、
3種類のボタンを見比べながら不思議そうにされて。
「えっ、えぇ??なんかコレだけ明らかに多くない?」と。
「ホンマや…なんか明らかに多いっスね・・・
え~っと…にぃ、しぃ、ろ、は、とぉ…
いーや!紫だけ16個ありますやんね…よ、予備っス!」
と慌ててごまかしましたが
「なんで紫だけ予備あんの~わざわざ一種類だけぇ(笑)」と。
うむ、ごもっとも!
察しのいい方はお気づきでしょう。
くるみボタンを作る工程をカメラで撮影しながらだったため、
途中で何個作ったかわからなくなったんでしょうね。
写真のボタンが、まさに多かった紫色のボタンですから~。グホフ!
秋頃まで体調を崩されて入院されていたスタッフが、
職場に帰って来てくださったので、くるみボタンも普段はお願いしています。
この日は急遽、僕が作ったので、セルフ撮影で多少ブレもありましたので、
今度は作っている様子を撮影して、動画ででもご紹介できればなぁと思います。
【こぼれ話】
僕がくるみボタンを作っている横で、はじまったプチミーティング。

これは、僕がボタンを作っていたベストを合わせる子供用タキシードの型について
修正を加える話をしているところです。
ピーク襟の部分の1cm、2cm、折り返しの部分などを
どうするかというカタチについて話し合っていたようです。
大人用のスーツですら、製品になったときの1cmや2cmの差は大きな違いになりますから、
それが子供用ならなおさら。取り返しのつかないような大変な差になってしまいます。
僕が商談をし、引き受けた仕事、そして僕が起こした発注書一枚で、
工房の方々が全員それに携わって下さるわけです。
そして、こうやって1cm、2cmの誤差を突き詰め、よりいい商品を生み出そうと、
妥協なく取り組んで下さっているんですよね。
昨年の8月の終わりからスタートしたこのプロジェクトですが、
既にサイズ表が2、3回のスペックアップをして、バージョン2.55といった段階でしょうか。
いまだ日々進歩と改善をしています。
本当に工房のみなさんには頭が下がります。
改めて心から敬意を表したいと思いマス!
この子供タキシードは、まだまだプロトタイプで、
旗艦店のノービアノービオでも、
WEBショップのノービアノービオでもお取り扱いがありません。
う~ん、お見せしたいけど、すぐにはそうはいかない仕事も
工房にはたくさんあるんです。歯ぎし~りギーリギリです。ホント。
工房と事務所を行ったり来たりする僕は、
こういう光景を目の当たりにする機会は決して多くはありません。
傍で話を聞いていると、
仕事を請けて製品にする工程を動かすという自分の責任の重さを感じますし、
発注書など、工房にあげる書類はいい加減に書いたらあかんのやな、と自分の戒めにもなりました。
本当に仕事とは言え、自分と関わってくださる全てのみなさんに感謝!
たくさんの人と物とが交差して弾けるカンジ。
それがこのカテゴリ「MILLION CROSSROADS POP!」の真意です。
この記事のタキシードはまだありませんが、
フォーマル専門店として、唯一無二のお子様フォーマルをご用意しています!
オトナ顔負けの本格派の子供燕尾服もそのひとつ!

包みボタンと書いて「くるみ」です。
「つつみ」と読むより、なんとなくカワユスでしょ。
ベテランの職人さんの中には「つつみボタン」と言う方もいますが、
僕は断固として「くるみボタン」で通します。
それはなぜかって?
敢えて言おう!その言葉の響きに萌えがあるからだ!
くるみボタンを「くるみたん」と略すと萌え度200%UP!
なので今後、社内にも「くるみたん」と呼ぶよう指導して参りたいと思います!
あ・・・取り乱してすいません…。
この仕事を始めた当初、僕はくるみボタンを
胡桃でできたボタンで「胡桃ボタン」だと思ってました。
たま~に婦人服なんかで木の実でできたようなボタンがありますもんね。
ま、そんな勘違いはさておき。
今日、作っていたのは子供のタキシード、フロックコートに合わせるベスト用のくるみボタンです。
大量に必要な時は、まとめて外の工房にお願いしますが、
人手が足りない時や、急ぎでサンプルを作らなくちゃいけない時などには、
僕が工房に上がって作る事があります。
今日は子供の4つボタンベスト3着×3柄の計36個作りました。
では、今日はそのくるみボタンの作り方をちらっとご紹介しましょう。
●まず、用意するのはご覧の道具。

【A:ボタン用の生地】
薄い生地の場合、くるんだ時に端が破れたりするので、接着芯を貼って補強してもらいます。
黒く見えてるのは芯、そこから少しはみ出して見える紫の生地がボタンになります。
【B:木槌】
ボタンの台座と糸を結ぶ台座と生地を叩いてくっつけます。
【C:糸用の台座】
衣服に縫い付ける方の台座です。
【D:ボタンの表台座】
この台座の表面に生地を張ってボタンの表にします。
【E:表台座受けの筒】
ボタン用に切り取ったAの生地とDの台座をセットする筒です。
【F:ボタン台座受けの筒】
Cの台座をセットする筒です。
【G:押しこみ棒】
EにセットしたA:生地とD:台座を筒に押し込む棒です。
それでは、工程をご説明。
まず、Aの生地をボタンの型紙にあわせて大まかに切り取り、
裏向きにEの筒に乗せます。
その上から、Dの台座を裏向きセットし、
Gの棒でぎゅっぎゅっと押し込みます。


そう、誰もが青春時代に一度は経験したことのある、火縄銃の火薬装填と同じ要領ですネ!
・・・したことないか。
次に、縫いつける側の台座の準備。
Fの筒に、Cの台座を縫いつけ側を下向きにセットします。

それぞれに準備ができたら、筒同士を合わせて、後は木槌で叩くッ!

カンタンそうに見えますが、強く叩くと台座ごと潰してボタンがひしゃげてしまいますし、
弱いと、生地を上手く中に包み込むことができず、はみ出したりします。
コツは筒同士を合わせたとき、ネジをまくようにして生地を台座の中に巻き込んで
浮かさないように、コンコン!っとすばやく叩くこと。
こうして、くるみボタンが完成です!

で、
無事に作り終わって渡したところ、
3種類のボタンを見比べながら不思議そうにされて。
「えっ、えぇ??なんかコレだけ明らかに多くない?」と。
「ホンマや…なんか明らかに多いっスね・・・
え~っと…にぃ、しぃ、ろ、は、とぉ…
いーや!紫だけ16個ありますやんね…よ、予備っス!」
と慌ててごまかしましたが
「なんで紫だけ予備あんの~わざわざ一種類だけぇ(笑)」と。
うむ、ごもっとも!
察しのいい方はお気づきでしょう。
くるみボタンを作る工程をカメラで撮影しながらだったため、
途中で何個作ったかわからなくなったんでしょうね。
写真のボタンが、まさに多かった紫色のボタンですから~。グホフ!
秋頃まで体調を崩されて入院されていたスタッフが、
職場に帰って来てくださったので、くるみボタンも普段はお願いしています。
この日は急遽、僕が作ったので、セルフ撮影で多少ブレもありましたので、
今度は作っている様子を撮影して、動画ででもご紹介できればなぁと思います。
【こぼれ話】
僕がくるみボタンを作っている横で、はじまったプチミーティング。

これは、僕がボタンを作っていたベストを合わせる子供用タキシードの型について
修正を加える話をしているところです。
ピーク襟の部分の1cm、2cm、折り返しの部分などを
どうするかというカタチについて話し合っていたようです。
大人用のスーツですら、製品になったときの1cmや2cmの差は大きな違いになりますから、
それが子供用ならなおさら。取り返しのつかないような大変な差になってしまいます。
僕が商談をし、引き受けた仕事、そして僕が起こした発注書一枚で、
工房の方々が全員それに携わって下さるわけです。
そして、こうやって1cm、2cmの誤差を突き詰め、よりいい商品を生み出そうと、
妥協なく取り組んで下さっているんですよね。
昨年の8月の終わりからスタートしたこのプロジェクトですが、
既にサイズ表が2、3回のスペックアップをして、バージョン2.55といった段階でしょうか。
いまだ日々進歩と改善をしています。
本当に工房のみなさんには頭が下がります。
改めて心から敬意を表したいと思いマス!
この子供タキシードは、まだまだプロトタイプで、
旗艦店のノービアノービオでも、
WEBショップのノービアノービオでもお取り扱いがありません。
う~ん、お見せしたいけど、すぐにはそうはいかない仕事も
工房にはたくさんあるんです。歯ぎし~りギーリギリです。ホント。
工房と事務所を行ったり来たりする僕は、
こういう光景を目の当たりにする機会は決して多くはありません。
傍で話を聞いていると、
仕事を請けて製品にする工程を動かすという自分の責任の重さを感じますし、
発注書など、工房にあげる書類はいい加減に書いたらあかんのやな、と自分の戒めにもなりました。
本当に仕事とは言え、自分と関わってくださる全てのみなさんに感謝!
たくさんの人と物とが交差して弾けるカンジ。
それがこのカテゴリ「MILLION CROSSROADS POP!」の真意です。
この記事のタキシードはまだありませんが、
フォーマル専門店として、唯一無二のお子様フォーマルをご用意しています!
オトナ顔負けの本格派の子供燕尾服もそのひとつ!

Posted by さこっち。 at 00:02│Comments(0)
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